いない世界
そこには私はいませんでした
お転婆女子大学生一年の時田美来は、舞台演出担当の三年生である西塔誓による厳しい演技指導を受けていた。
それは誕生日の日も例外ではなく、重くのしかかる「生と死」というテーマ、演出家の意図を的確に掴み切れない自分の不甲斐なさに悩み過ぎて眠りに落ちてしまう。
そして目覚めた先は、自分が存在しない世界だった。
「こんなことなら生まれてこなければよかった」と呟いた舞台役者の女子大学生の言葉に、見習い天使が間に受け、彼女が存在しない世界を見せる話。
2019/03.27 キービジュアル解禁
2019/03.30 撮影1日目
2019/04.21 撮影2日目
2019/05.04 撮影3日目
2019/05.26 撮影4日目
2020/03.13 予告 解禁
2020/03.14 本編 解禁
2020/03.15 メイキング 解禁
竹中透監督作品。不思議箱屋10周年記念作品にして中編映画。北海学園 大学映画研究会ご協力の元撮影。
自分の不遇な人生に嘆き苦しんでいる家族持ちの銀行社長が「こんな人生なら、自分は生まれてこなければよかった」と吐き捨てた時に舞い降りた天使に、本当に存在しない世界を見せられる人間謳歌映画「素晴らしき哉、人生!」。
上記作品を鑑賞した際、物凄く感化された監督はオマージュとして製作を決意。また撮影前に幼い頃にビデオカメラを譲り受けた祖父が亡くなり、今自分が本心から撮るべき作品とは何か自問自答した結果、不思議箱屋10周年記念作品に絡めた「いない世界」の方向性が決定された。
出演者は不思議箱屋作品経験者を中心にベテラン勢、期待の新人をキャスティング。誰が主人公でも成り立つ存在感をモットーとして選ばれている。
当初は劇団ではなく、大学の小説サークルにスポットを当てた作品としていたが冒頭の要となる「私なんて生まれてこなければよかった」と熱い感情を表現することが困難として立ち塞がった為、劇団に変更されている。
冒頭と最後に登場する小さな天使マナエルを指導している天使ナナエルは竹中監督作品「契り天使」のナナエルが再登場している。
撮影の舞台として大学ロケを敢行。実際の校舎が二棟分かれており、迷路にように入り組んでいる為、当時この大学に通う相田(不思議箱屋に役者出演3本経験済み)の助けを借り現場で先導の元、シーンごとにキャストスタッフが大移動している。
また本作より不思議箱屋初めてジンバル撮影が用いられ、その滑らかカメラワークに現場スタッフのテンションが急上昇。
編集については中編映画として同時撮影も多く、最終的に撮影素材が膨大に膨れ上がり、編集が通常の2倍以上の時間掛けられることになった。
撮影に関しては役者のスケジュール確保が難航、4ヶ月間で4回の撮影、撮影と撮影の間が1ヶ月開いている。
また撮影途中にキャスティン連携をしているタレント養成場より主演、脇役含め、卒業生が相次ぎ、重要な回想場面を含む数シーンの撮影が終わらず、最終的に編集でカバーする形となった。なお一時期公開すら危ぶまれるも撮影開始から無事1年後、YouTube公開されることとなった。
竹中監督「見ている観客に、自分の存在意義をちょっと考えさせられたら、監督冥利に尽きます」と語る。
なお本作の撮影中、監督自らも自主映画監督を一時休止することを決断。映画制作のこれから考えるキッカケとなった。
なお本編で描かれなかった(撮りきれなかった)シーンとしては、
①主人公の未来と親友の千夏が、斎藤誓がいる大学入学
を目指す場面。
②同上の二人が一緒に合格通知を見せ合う場面
③同上二人が、圭介を仲間にする場面
④同上二人が亜理沙を仲間にする場面
竹中透
脚本
Pudding
プロデューサー・編集・音声・音響・整音・効果音・色調調整・視覚効果・小道具・絵コンテ
スチール・ロケーション・予告・メイキング・タイトル・WEBサイト・ポスターデザイン
竹中透
撮影・メイキングカメラ
竹中透 田阪祐樹
ジンバルカメラ
田中和幸
アクターズスタジオ 役者スケジュール連携
高橋一成 西村京子